特別コラム

第1回 珍ニュースという食材から読み物という料理を作る

最近、英語圏の報道機関のサイトでは、変な現象が起きているそうです。記者たちが気合を入れて取材した政治や経済に関するお堅い記事よりも、珍事件を伝える記事にばかりアクセスが偏っているといいます。この手のニュースは“offbeat news”あるいは“odd news”などと呼ばれますが、どうせならということで“offbeat news”専用のコーナーを設けている報道機関サイトも増えてきています。

英国BBCのサイトでは2006年の2月に、アフリカ北部のスーダンで男性がヤギと強制的に結婚させられた話を伝えました。「Sudan man forced to 'marry' goat」と題するこの記事は爆発的なアクセスを集めました。その勢いはいつまで経っても止まず、その後1年以上もBBCサイトの最人気記事の座に君臨し続けたのでした。

実は、『ありえな〜い100選』の母体となった「なんでも評点」サイトでも、この話題を取り上げて記事にしました。この男性はヤギと交尾しているところを見つかり、地元の長老たちによる裁きを受けて、ヤギとの結婚を言い渡されたのでした。

この話はまさに珍ニュースの典型のような話です。でも、『ありえな〜い100選』への収録は見送りました。なぜかって? まず第一に、この話は日本のスポーツ紙などでも伝えられたからです。

『ありえな〜い100選』には、珍しいお話を集めてあります。珍しくてしかも極め付けに面白かったり、感動的だったり、あるいは衝撃的だったりするような、そんな世界中の変な話が満載です。

冒頭で、海外の報道機関サイトに珍ニュース専用コーナーがあったりすることに触れました。しかし、『ありえな〜い100選』に収録されている話の多くは、珍ニュース専用コーナーを頼りに収集したものではありません。

実は、『ありえな〜い100選』の母体となった「なんでも評点」サイトでも、この話題を取り上げて記事にしました。この男性はヤギと交尾しているところを見つかり、地元の長老たちによる裁きを受けて、ヤギとの結婚を言い渡されたのでした。

そういうコーナーは、日本からも大勢の人たちが見ています。それに、私に言わせると“offbeat news”に分類されるものはパターンが決まっていて、長期にわたってウォッチしていると、なにやら似たような話がループしているような気にさえなります。

というわけで、『ありえな〜い100選』の母体となっているサイトの方では、ネタ探しに苦しむ日々を送っています。今、「ネタ」と書きました。そう、あくまで「ネタ」なのです。

“料理”に例えてみるなら、めったに入荷しないような食材を血眼になって探してくるわけです。そして、その食材の味と風味(おかしさ、不思議さ、意外性、怖さなど)が最も生きる形に調理してお出しようとしてきたわけです。

ただし、一見ありふれて見える話でも、調理次第で極め付けに面白い話に化ける驚きの要素が隠されていることがあります。その一方で、インパクトの強いネタであっても、あまりに過激なものは取り上げにくかったりもします。

というわけで、『ありえな〜い100選』には、特に珍しい食材を美味しく料理できたものを中心に集めてあります。とはいえ、致死量に至らない程度の毒物が混入している料理も含まれていますので、ご注意ください。女主人が大盤振る舞いした美味なる肉料理に舌鼓を打ったゲストたちが、冷蔵庫の中に食材の原形を見つけて驚愕の事実を知る・・・なんて話も含まれていたりしますし。

コラムの第1回は“もう一つの前書き”みたいな雰囲気になりましたが、第2回以降では『ありえな〜い100選』に収録された話にちらっと触れながら、何か面白いお話ができればいいなと思います。

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『なんでも評点 世界のありえな〜い100選』公式サイト